明石です

ブレアウィッチ2の明石ですのレビュー・感想・評価

ブレアウィッチ2(2000年製作の映画)
1.5
ドキュメンタリー映画として撮られた「ブレアウィッチプロジェクト」が大ヒット。一大観光地と化したブレアの森に、魔女をハントしにきた若者たちが、魔女の呪いにかけられてオカシクなる話。映画として意味不明な上に、前作が築き上げた世界観にも泥を塗る、2001年度ゴールデンラズベリー賞の最低続編部門を満場一致で受賞したのも頷ける本当に最悪な続編でした。

前作のエッセンスだったPOV方式とはお別れし、登場人物たちが手持ちのカメラを回しながら、メインとなる別カメラで劇映画として撮ってある、前作に中途半端にリスペクトを捧げたような構成。ハンディカムとメインの35mmカメラは明らかに画質が違うので、どの映像が登場人物の撮ったものかはわかるようになってるものの、そのささやかな使い分けが必要なのかそもそも疑問。そのままPOVで行けばよかったのに、、

本作の3年後に『テキサスチェーンソー』でレザーフェイスに真っ二つにされるスクリームクイーン、エリカリーセンの絶叫演技がデビュー作とは思えない凄まじさ。全てがパチモンの本作において、彼女の演技は本物ですね。ウディアレンにも認められて、この後何作か(主演ではないものの)起用されてるし。そして『チェンジリング』で胸糞警官を演じた、本作主演のジェフリー・ドノヴァンの神経質な表情もイイ!俳優さんの演技は良質なだけに、もっとまともな映画でそれを発揮してほしかったなと不憫にさえ思えてしまう。

ブレアの魔女を舐めた結果、怪異の犠牲になる一行ですが、メンバーの中に運良く超能力者がいたので、彼女の頭に映るフラッシュバックで証拠映像を回収(頭の中で見えてるの!)。なんたる幸運、、しかしドキュメンタリーの体をとって「本物の映像」として売り出したことが成功要因だった前作に対し、それと地続きの世界に超能力という絵に描いたようなフィクションを持ち込むのは、自ら失策しに行くようなものだというのは、製作者はどの段階で気づいたのでしょうか。

というかそもそも、先の出来事が頭の中で見えるという人物が、これから起こる惨劇に関しては見えず、むざむざ巻き込まれるという矛盾はどうするつもりなのでしょうか。その後も「非超能力者」の登場人物が夢で見たというお告げをもって展開するストーリーに、ビデオを逆再生したら本来そこになかったはずの映像が出てくるという意味不明な種明かしを経て、最後に残ったピースを埋めるのは、登場人物の頭に浮かぶフラッシュバックという、これまた貧弱すぎるアイデア。何から何まで作り手都合の域を出ない映画だ、、

失敗する続編の例はそれこそ枚挙に暇がないけれど、前作が苦労して築き上げた世界観をぶち壊しにした上でズッコける続編ほど酷いものはないと思う笑。ビックリ箱のように色んな仕掛けが飛び出す作風の本作は、ホラー映画として怖いかどうかは別として(怖くない)、名作の続編で勝手にやることではないなと思う。あとヘヴィメタみたいなテーマ曲も前作の完璧なる面汚し、、個性を出したいなら自分の映画でオヤリ。
明石です

明石です