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ステイン・アライブのGreenTのレビュー・感想・評価

ステイン・アライブ(1983年製作の映画)
5.0
大ヒットした『サタデー・ナイト・フィーバー』の続編として制作され、ラジー賞オフィシャル・ムービー・ガイドで『最も楽しめる史上最悪の映画100選』に選ばれた映画ですが、私は大好きです!

何を言われようと、この映画のジョン・トラボルタはめちゃくちゃカッコいいです。顔もカラダも歩き方も、ちょっと目が離せません。後年カツラ疑惑があったけど、あれだけフサフサした美しい髪だったら、ハゲてきた時相当ショックだろうなあ〜。カツラにしたくなる気持ちも分かるわ。

売れないダンサーのトニー・マネロ(ジョン・トラボルタ)は今日もオーディションに落ち、インストラクターをしているダンス・スタジオの仕事にも遅刻し、靴箱のような小さいアパートでシャワーを浴びながら下着を洗濯し、夜はウエイターの仕事をしに地元のクラブに行く。

このシャワーでタンクトップやパンツを洗っているシーンが、なんか「下積み!」って感じでいいな〜!ってすごい印象に残ってます。あと、クラブでダサいタキシードを着てトレーで飲み物を運んでいる姿が、すげーカッコいい。

クラブに来ている女の子たちも、「その歩き方を観に来ているのよ」ってくらい人気者で、ガールフレンドのジャッキー(シンシア・ローズ)がいながら、色んな女の子に手を出しているようだ。

ジャッキーも売れないダンサーなんだけど、今はブロードウェイのショウのコーラスラインをやっていて、嫉妬しているトニーは観に来てくれない。

このジャッキーとの関係もすっごい良くて、ジャッキーはトニーのことすごい好きなんだけど、トニーにとっては彼女っていうより「同志」みたいに思っているんですよね。

だから、ジャッキーのショウのメイン・ダンサー、ローラ(フィノラ・ヒューズ)に熱を上げて、ジャッキーとの約束をすっぽかして追いかけ回す。

ジャッキーは副業としてクラブのバンドで歌を歌ってるんだけど、そのバンドのリズム・ギター(フランク・スタローン)がジャッキーに気がある素振りを見せると、トニーは嫉妬する。自分は平気で浮気しているのに、って思うんだけど、ガキだからしょうがない。

ガキでバカなトニーに振り回されながらもやっぱり好き、っていうジャッキーがけなげでジンと来たし、恋愛の本命ではないってことがジャッキー的には辛いかもしれないけど、なんだかんだ2人は親友なんだなあ、って感じが良い。

この映画、シルベスタ・スタローンが脚本・監督だったって知らなかった。『ロッキーIII』を観たトラボルタが「スタローンは続編作りの天才だ!」って抜擢したんだって。

確かにそれで合点がいくんだけど、この映画はオーディションのシーンや、練習のシーンがすごいカッコいい。『ロッキー』シリーズでも、ロッキーが練習する「モンタージュ」のシーンが売りだもんね。

トラボルタは「スタローンは自分をすごくカッコ良く撮ってくれる」ってご満悦だったらしいのだが、ほんっとにこの映画のトラボルタはカッコいいもんなあ。『ロッキーIII』のロッキーとアポロの肉体美は笑うしかなかったけど、こちらはダンサーだから許容範囲なのか、もうめっちゃカッコ良かった。

ちなみにリハーサルのシーンで「白いサスペンダーをしているダンサー」がパトリック・スウェイジらしく、見直してみたらいたいた!

あと、ジャッキーがバーで歌ってるシーンで、フランク・スタローンのバンドの後ろでギター弾いてるヤツ、「リッチー・サンボラかよ!」ってツッコんで笑っていたら、本当にリッチー・サンボラだった(爆)。

スタローン自身もカメオ出演していて、ニューヨークが舞台の映画ではお馴染みの、街をたくさんの人々が行き交う場面。トラボルタにぶつかってガン飛ばすにーちゃんがスタローン!

興行成績はすごい良かったらしいのだが映画評論家からは酷評で、Rotten Tomatoes では0%!まあ確かに、1作目の評価とトラボルタ人気だけの陳腐な成功ストーリー、まさに『ロッキーIII』と同じ話!

クライマックスは延々と、トニーが主役を獲得したブロード・ウェイのミュージカル、 “Satan’s Alley”(悪魔の横丁?)を観せられるのだが、おっぱいが出ないだけで、『ショウガール』のショウと変わらない(爆)。ブロードウェイのミュージカルって、本当にこんなのなの?フレディー・マーキュリーの衣装のような腹毛を出した男のダンサーたちがムチを持ってトニーに襲いかかるという・・・・

スタローンって、ゲイなのかな?(笑)

最後は、ビージーズの『ステイン・アライブ』に乗って、ニューヨークをあの歩き方で闊歩するトラボルタのショットで終わるんだけど、そこがタイムズ・スクエアの一画、46丁目のダフィー・スクエアってところで、背景に映っている電飾の広告が、ほとんど日本の企業なんだよね!AIWA、SONY、Panasonic、Casio、あと、 “Midori Melon Liqueur” ってなんなの?!って思ったら、サントリーが出しているメロン味のリキュールだった。それに混ざってコカ・コーラの広告がちょこんとあって、この後アメリカ人が日本企業の進出を驚異に感じてバッシングを始めた気持ちも分かるなあと思った。

追記:いや〜、また観ちゃった!この映画にハマるとは思わなかったなあ。トニーは、自己中でガキな男だけど、すごい人間的には魅力があるところが良い。マンハッタンからブルックリンまで歩いてお母さんに会いに行くところなんかいいじゃないですか!ジャッキーはたしかに平凡なんだろうけど、ダンス上手いし、自分なりに頑張っているところが良い。トニーが主役を獲得できるようにダンスの相手をするシーンは、トニーを助けるためにやってるんだけど、あれがジャッキーにとっては、現実では絶対になれないメイン・ダンサーのダンスを踊れる唯一の機会だったんだなあと思うと泣けてくる。ローラは、恵まれた家の出で美貌もあり、ダンスも上手で、周りにかしずかれて生きてきた感じが良い。結構キャラ設定が深くて良い!

追追記:オープニングのオーディションのシーンで、オーデションの監督をカートウッド・スミスが演じてるだよね〜!この人ハゲで全然ダンスっぽくないのに、この役すごいハマってるんだよな。
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