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デストラップ・死の罠のdeenityのレビュー・感想・評価

デストラップ・死の罠(1982年製作の映画)
3.0
『12人の怒れる男たち』を生み出したシドニー・ルメット監督作品。『12人の怒れる男たち』に関しては大好きな作品で、一つの裁判の陪審員の心理変化を見事に表現した作品でした。

本作との共通点は会話劇を中心としたワンシチュエーション物である点ですかね。舞台がほとんど変化しない中でストーリーを運ぶ上手さはさすがです。ただ、本作はミステリー作品であり、一人の劇作家を中心にしてトラブルがどう展開されていくのか、という先の読めない構成にこの監督の器用さがありました。

とりあえず話は二転三転していくのであまり触れられませんが、脚本はよく練られてあるのは間違いありません。多少脚本勝負の所はあるため、前情報は特に入れずに鑑賞されることをお勧めします。

一発屋で売れたが、それ以降は全く売れなくなった劇作家の夫婦の元に届く一つ脚本。その脚本の完璧さに心を奪われ…。とまあ、後は見ていただくしかないですね。監督お得意のシチュエーションを生かした展開は多少読めましたが、楽しむには十分だと思います。

ただ一言言わせてもらえば、霊媒師の設定。さすがにやりすぎです。心の中まで見えたなら、この話全て元も子もないでしょ。
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