みおこし

泥棒成金のみおこしのレビュー・感想・評価

泥棒成金(1954年製作の映画)
3.8
ヒッチコック作品コンプリート企画。意外とマニアックな作品は見てるのに、トップクラスで有名な本作と『めまい』『北北西に進路を取れ』を未見というかなりの不届者だったので、今さらすごい勢いで観てます(笑)。

金持ちだけをターゲットにした宝石泥棒”ザ・キャット”としてかつては名を馳せた男ジョン・ロビー。戦時下の功績も認められたことで警察からも恩赦がくだり、現在はリヴィエラで悠々自適な生活を送っている。そんなある日、高級リゾート街で彼と全く同じ手口の盗難事件が多発。ジョンはもちろん身に覚えがないのだが、あらぬ疑いをかけられ追われる身となってしまう…。

あらすじだけでも面白い、まさにエンタメの極意が詰まった痛快作。【間違えられた男の逃避行】というテーマは今もなお様々な映画作品で焼き直されていますが、やっぱり鉄板に面白いですよね!
”歩くダンディズム”ケイリー・グラントが引退済みの怪盗に扮するという設定からもはや反則(笑)。冒頭の屋根を歩く猫と盗難事件発生のモンタージュに始まり、いったい誰がザ・キャットの真似をしているのかという謎がどんどん深まっていくスリリングな展開に手に汗握り続けました。黒幕は最後まで予想付かなくて、分かった瞬間「えー!!」と思わずびっくり。振り返ればしっかり伏線も張られていたのに!さすがヒッチコック大先生…!!

思わずため息が出てしまうほどの美しさながら、時に白熱のカーチェイスを披露する大胆さも併せ持つヒロイン、フランセス役にはグレース・ケリー。初登場の瞬間から、イーディス・ヘッドが手掛けた衣装を見事に着こなす絶世の美女っぷり。当時26歳ながらケイリー・グラントとの年齢差も気にならないほどにオトナな魅力にあふれていて本当に素敵でした。個人的には白いハットが目を引くモノトーンの衣装が特に好き!
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