柏エシディシ

私の20世紀の柏エシディシのレビュー・感想・評価

私の20世紀(1989年製作の映画)
3.0
昨年公開の「心と体と」が素晴らしかったエニェディ監督の1989年のデビュー作。

モノクロームの画面で綴られる時間と空間をジグザグに進む寓話か御伽噺か。
断片的に提示されるシンボリックなエピソードや登場人物たち。
20世紀とはなんの時代だったのか。
思えばそれは技術革新と急激な世界の縮小、そして混乱の時代。
エジソンの憂いはそれを予期したものか。

更に言えば、20世紀は女性たちの抑圧と解放の歴史でもあり、映画の時代とも定義出来はしないだろうか。
今年、本作とおなじくハンガリーより届けられた映画「サンセット」が時代と東西の境目で翻弄される女性(と生き別れの兄)の物語であったように、本作も離ればなれに生きる双子の姉妹を狂言回しに、この100年の女性たちの在りようを象徴的に紡いでみせていく。
そして、エジソンのキネトスコープで産声をあげた「映画」は時代と並走しながら、この100年、女性たちの人生を、変化をスクリーンに映し続けていたことを私たちは思い出すのだ。