松長もんど

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊2.0の松長もんどのレビュー・感想・評価

3.5
まず始めに、オリジナル版は素晴らしい作品である事をレビュー済みあり、本レビューはあくまでバージョンアップである本作『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊2.0』のレビュー。
一体何が変わったのか?ざっくり纏めると下記のような感じだ。ストーリーに変更は無い。

▼変更点
・全編に渡る音響の見直し
・一部の演出をCGリメイク
・作品の色調が、緑→オレンジに変更
・(おそらく)全てのアフレコ録り直し
└「人形使い」の声が男から女に変更。

加えて良かった点と悪かった点を簡単に纏めてみた。

▼良かった点
・音響
・一部のCGリメイク

▼悪かった点
・だいたいそれ以外

・・・まぁそもそも「音響面を全面的に見直したい」から始まった企画であり、「どうせなら映像も弄りたい!」という押井守の思いつき(笑)でこうなったわけで、かなり実験的に制作されたそうだ。
以下詳細レビュー。

【音響面】
全体的に重厚になっていて良くなっていたと思う。
いや、これがダメとなれば、元も子もないわけで(笑)

【CGリメイク】※色調についても。
期待していたCGリメイクについてだが、アナログなモニター描写が残っている点はかなり違和感があり、そこは撤退してやって欲しかった。その点を除けば悪くはなく、特にラストシーンの引きで写される都市描写は良かった。
また、続編である『イノセンス (2004)』に合わせてオレンジがかった色調に変更されている点に関しては、まぁ必然的にそうするだろうなという印象のみ。あくまでおまけ要素。

因みに冒頭から見られる素子のCG化については、、本作の方が良いと思う人が果たして存在するのか?という程に残念な仕上がり。2Dキャラの中に3Dキャラが存在いるのは明らかに不自然だ。

【アフレコ】
おそらく全て録り直していると思う。モブのキャストが変わっていたりしたので。

まぁ一番分かりやすく、且つストーリーこそ変わらないが作品の印象が変わる点でいえば、本作の重要キャラ「人形使い」の声が「男(家弓家正)から、女(榊原良子)」に変更になった点だろう。
自分としてはオリジナル版にある「女の義体から男の声が発せられる気持ち悪さ」が好きであったが、これはこれで”悪くはない”。というか「女の義体から女の声が聞こえる」というのが普通か(笑)

【総評】
音響だけ弄れば良かったのでは?
なんじゃそりゃ!?(笑)


▼オリジナル版
『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』
https://filmarks.com/movies/12523

▼続編
『イノセンス (2004)』
https://filmarks.com/movies/5165