教授

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊2.0の教授のレビュー・感想・評価

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オリジナル版のつもりで観ていたがどうにも作画(?)が気になると思っていたら後で調べたら言うなれば「リミックス」的なバージョンだった。

と言っても作り直すまでもないくらいそんなに違いはないようで。且つ作画的には却ってオリジナルの1995年以前から退行したというか、「映画」という世界というよりも「ゲーム画像」のように映る。
はっきり言ってダサくなったと思う。

ただただ単純に。オリジナルの1995年当時、もうかれこれ25年ほど前に創造された世界観だとは信じられないくらい予言的展開には脱帽する。
この映画が、映画史に対して多くの扉を開いたことは大きな功績ではあるし、そこに対しては「凄い」という言葉しか出てこない。

しかしながら観ていて感じたのは世界観に対して、あるいは世界観を提示する映画、としては物語が若干ウェット過ぎるというか、ドラマが過剰だとも思う。
当時としては斬新なぐらいに無口に見えた作品も。やはり一本の映画として観る場合は情緒が過剰に感じる。
脚本が緻密で、情報量も多くそれらを語りたいという気持ちが強すぎて押し付けがましくなっているため、
人物の感情にまで配慮がいかない。

だからなのか、草薙とバトーの関係が、会話以上のものを持たないダイジェスト的なものになり、映画的脚本とは言い難いと思った。
ドラマ過剰に見えて、実はドラマ自体の普遍性はあまりないという大きな気付きはあったのであまり神格化しないで観るべきと思った。
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