めざまし

秋刀魚の味のめざましのレビュー・感想・評価

秋刀魚の味(1962年製作の映画)
4.9
小津安二郎監督作品であり、遺作ともなった作品。
全編色鮮やかに映し出される小津の世界は見入ってしまう程に美しく、どこで止めても一枚の完成された絵になる程。ストーリーも、切り取った庶民や家族の日常というなんて事はない題材の筈なのに、なぜこうも面白い。まぁ劇中で酒を呑むシーンの多い事。しかし酔う演技をする役者を見るのも楽しく、観ているこっちもほろ酔い気分となってくる。
映画のラスト、すっかり酔った笠智衆が台所で一人ゆっくりと椅子に座るシーンは、その背中を見て思わずため息が出てしまう程、哀愁を感じてしまう。個人的にこのカットは数ある映画の中でもトップレベルの一枚だと感じている。
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