ROY

ナッシュビルのROYのレビュー・感想・評価

ナッシュビル(1975年製作の映画)
4.2
カントリー&ウエスタンの聖地ナッシュビルに集った総勢24人のキャストが織り成す人間模様を描いた群像劇

アルトマン方式の完成形

THIS IS SATIRE BY ROBERT ALTMAN

■STORY
カントリー&ウエスタン音楽の聖地、テネシー州ナッシュビル。現在、町では2大政党にくみしない大統領候補が選挙キャンペーンを繰り広げており、選挙参謀ジョンと地元の有力支持者デルバートが準備と資金集めに東奔西走していた。彼らは、選挙イベントの目玉にベテラン歌手のヘイヴンと人気女性歌手バーバラを招こうとするが、情緒不安定なバーバラが町に到着早々、入院したことを手始めに、さまざまなトラブルが勃発し……。(『WOWOWオンライン』から抜粋)

■NOTES
町山智浩氏による解説はためになった。(予習編→https://youtu.be/qY0cEcfXGRQ、復習編→https://youtu.be/szOglqllcOw)

アルトマンの功績
①オーバーラップ(マルチ・レコーディング)
➁ミューラル方式
③神話破壊

アメリカの歌謡曲カントリー・ミュージックがよくわかる。アメリカの 選挙キャンペーンの様子、選挙と娯楽産業との結びつき方がわかる。

アメリカはベトナム戦争の最中、ウォーターゲート事件(ニクソン大統領率 いる民主党の盗聴侵入に始まる政治的スキャンダル 1972〜74)の勃発、リプ レイスメント党のハル・フィリップ・ウォーカーが大統領に立候補。

民主党の崩壊

アメリカ建国200周年

空喜び

ジミー・カーターのポピュリズムを予見するような内容

ウォーターゲート事件

カントリー音楽は、アメリカのイノセンスを謳った偽善の歌だということをアルトマンは主張している。

理由なき暗殺

カトリック

白い服、神殿でライブ。ナッシュビルは天国。

聖バーバラ

キース・キャラダイン作詞・作曲の「I’m Easy」

小野智恵氏による「ロバート・アルトマン作品における音と物語のプルラリズム ― オーヴァーラッピング・ダイアローグからオー ヴァーラッピング・ナラティヴへ」という論文も面白かった。(『映画研究』4 号[2009]Cinema Studies、no. 4、https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscsj/4/0/4_74/_pdf)

■THOUGHTS
ジェフ・ゴールドブラム演じる謎の三輪バイク男が好き。

PTAファンとしては、これが『マグノリア』に影響を与えたのかと感服。

日本人には馴染みのない文化がベースにあるが十分楽しめた

教会で手話を追っている子どもたちを捉えたカットが良かった

廃車集積場の横道を歩くシーンもいい

歌う前の小噺が終わらないの面白かった

“I’m easy”というリフレインを「君に任せて 僕は従いたいから」って訳すんだ。

ホールがストリップに化してしまうシーンが辛い

それでも歌い続ける

エンドクレジットは星条旗の色

エンドロールが終わった後、1分半くらいゴスペルが流れる。
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