ほーりー

人生は四十二からのほーりーのレビュー・感想・評価

人生は四十二から(1935年製作の映画)
4.3
この映画のタイトルをネット検索すると、人生は42歳からはじまるんやて……というTシャツの画像が大量に出てくるが、本編では特にこの42という数字が重要な意味を持っている訳ではない。

原題は「レッドキャップ(という町)のラグルス」ということで、これまた戦前の洋画にありがちな全然本編と関係ない邦題がつけられている(だけどキャッチーなんだよね)

「情婦」の弁護士役で多くの映画ファンを虜にしたチャールズ・ロートンが36歳の時に主演したコメディ映画。

監督はのちに「明日は来らず」や「我が道を往く」を撮ったレオ・マッケリー。

ロートンが扮するのは英国の貴族に長年仕える有能な執事ラグルス。

パリ滞在中、ご主人様がアメリカから来た成金長者にポーカーでボロ負けしてしまい、借金のカタとしてラグルス自身が成金男に取られることに。

ご主人様からその事実を告げられた時の、チャールズ・ロートンの表情が実に良く、佇まいは英国執事なもんですから堂々しているのだが目が完全に泳いでいる笑

おまけにこのままアメリカ西部に連れていかれるということで、ラグルスの脳裏には先住民とガンマンたちのドンパチする光景が浮かんで顔が真っ青になる始末。

まだこの頃のロートンはちょっとだけポッチャリ体型で、「情婦」の頃に比べるとかなり動きにキレがあるように感じた。

アメリカに連れていかれたラグルスはイギリスとの違いに最初戸惑うが、やがてイギリスにはないアメリカの良さに気がつくというストーリー。

そして、最後はホロッとさせられる。

30年代のマッケリーやフランク・キャプラの映画を観ていると、この人たちはアメリカの精神である自由や平等を本当に信じていたんだろうなぁという気がする(実際はどうだったんだろう……)。

この映画もなかなか観る機会が少ない作品だけれども、「素晴らしき哉、人生!」や「オペラハット」「スミス都へ行く」が好きな人には是非オススメの一本です!

■映画 DATA==========================
監督:レオ・マッケリー
脚本:ウォルター・デレオン/ハーラン・トンプソン
製作:アーサー・ホーンブロウ・ジュニア
撮影:アルフレッド・ギルクス
公開:1935年2月19日(米)/?(日)

調べてみたけど日本公開時期がわからん💦
ほーりー

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