HidekiIshimoto

どん底のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

どん底(1957年製作の映画)
4.0
超絶傑作『蜘蛛巣城』と『隠し砦の三悪人』の間に撮られた地味作って印象でほとんど覚えてなかったけど、観直してみりゃ地味なりにビシッと見応え。特筆すべきは映画史上最強って感じの超絶ボロ家。ガリガリ博士並みに斜めってる。このセットだけで当時の撮影所システムの底力が判る。底無し絶望感を印影で表す照明もカメラも凄い。そのボロ家の中だけで名優群が一丸となって哀しきダメ人間を演じ、世界の三船もここでは一丸の1人。あえて主役はといえば左卜全だったかも。三好栄子の壮絶死にかけ演技も映画史レベル。『どですかでん』の原型とも見えるしテンツクテンで最高のミュージカルだったとも言いたい。あそこは北野武版『座頭市』に影響与えてるんじゃないかな?