「猟奇的な彼女」を観たら観ざるを得ない映画。
だが、現地でさえも酷評されていたのにも頷くしかない出来映え。
確か「〇億円のPV」との蔑称を授かっていたはずだが、言い得て妙。
チョン・ジヒョンの美貌と曲以外に見所がない……というか、その二つを前面に押し出しすぎている。
〈泣かせる〉という目的のために一極集中させたストーリーは、無茶・陳腐・理解不能の三重苦。
鑑賞者の涙、つまり感動に対して、作り手が愛情を持っていないことが透けて見えてしまう。
だいたい映画でも小説でも、結果とプロセスが逆になって成功した例をほとんど見たことがない。
結末のアレもやりすぎ感満載で、三重苦の胃もたれにはトドメの一撃だった。
作り手はしたり顔だったかもしれないが、サムい映画をさらにサムくした上に、素晴らしい先行作品の余韻までぶち壊してくれたのは罪深い。
ここまで酷い映画でも最後まで観られたのは、全て美人女優のお陰。
製作陣は間違ってもチョン・ジヒョンに足を向けて眠っちゃいけない。
written by K.