しゃにむ

主人公は僕だったのしゃにむのレビュー・感想・評価

主人公は僕だった(2006年製作の映画)
3.9
「事実は小説より奇なり」

<お前はもう死んでいる>
「事実は小説より奇なり」という有名なことわざがありますね。奇妙な出来事は平凡な毎日の中にもたまにはあります。

今は映画通の黒髪の聖女との遭遇の為に映画修行に身を費やす不毛で平凡な日々を送ってますが九死に一生というやつを何度か経験しています(大半が馬鹿エピソードです笑)

生後数十分
→ 誕生の喜びよりも行く先に待ち構える幾多の災難を予知し呼吸と産声を拒否する。医師の懸命な措置(尻叩き)に致し方無く産声を上げる(この時お尻に星型のアザが出来る)

生後数カ月
→ 厭世観はこの頃からか。車で出かける際に神出鬼没ぶりを発揮し車のタイヤの下に寝転がり無理心中を図る。父が見つけなければ首なしのあだ名で生きる羽目に(恐ろしや)

保育園時代
→ 無謀な性格はこの頃から。ちびっ子プールに入ることを断固として拒否し父親の目を盗み成人用の波の出るプールに侵入し案の定溺れかけるも父親に救われる。この時初めてホビットの血筋を自覚する(ヒント低身長)

保育園時代
→ この頃は可愛かった。買い物に出かけた際に再び神出鬼没ぶりを発揮しはぐれる。見知らぬ人に連れ去られそうになるも母の大地も揺るがす雄叫びで助かる。愛に溢れるお仕置きでお尻が便器に挟まるまでになる。

小学時代
→ 母は強し。アメちゃん愛好家だったのでどれだけ詰め込めるかという阿呆な疑問を解明するべく無理に放り込んでいたら喉元で玉突き事故が起こり窒息しかける。母のオラオララッシュにより九死に一生を得る。以来我が家ではアメちゃん持たず作らず持ち込ませずの非アメちゃん三原則が施行される。

以降はダイぶハードな人生…
(ダイハード、ニューイヤーズイブ参照)

大半が己の愚かさを物語る阿呆エピソードですが悪しからず…でも小説の小ネタに使えそうなエピソードでは?平凡で変わり映えない毎日に埋もれて気づかないだけで誰しも一度は奇妙な体験をしていると思います(゚∀゚)

今作の主人公も不運にも(それとも幸運だろうか?)奇妙な体験をします。

<デスノートならぬデスノベル!>

あらすじ↓
国税庁の堅物役人ハロルドは、自分の人生が実はある作家の描く小説とそっくりそのまま同じ、つまりその作家が描いた通りに自分の人生が進んでいることに気づく。さらに驚きなのは、その作家の描く小説の主人公は決まって悲劇的な死を遂げているのだ…避けられない運命にハロルドひどうするのか?

途中でハロルドは自分の人生の「語り部」の居所を突き止めて書くのをやめてくれと懇願するのですが、やめてもらえません。結末は絶対に決まっています。デスノートです笑 あんまりじゃないですかね…作家のアシスタントも協力者の(ダスティン)ホフマン教授も誰ひとり止めようとしません Σ(゚∀゚ノ)ノ

ホフマン教授がクソいい加減です笑

「人間いつかは死ぬよ。人生を楽しめ」

まぁでも考えてみたらそうです。こうして生きてるぼくらもみんないつかはデスノートに名前が載るわけですし、ハロルドの場合、名前を書かれるのがかなり早かっただけとも考えられます。結局人間いつかは死ぬわけだからホフマン教授の一見いい加減な言葉も一応的を射ていると考えられなくもない。

ハロルドの神は作者です。ハロルドの人生は長い長い小説です。ハロルドの人生っていう物語の語り部たる作者はハロルドの行く先に何が起こるか知っています。いわば作者が全知全能の神です (あなたがキラです笑)

ぼくらの人生の作者は神でしょう。名前は別にどうでもいい。生まれた時からいつか鼓動が止まるまで描かれているわけです。何が起こるか?神のみぞ知る。物語の途上で一足先に結末を知ろうってそりゃ無粋です。ぼくらは結末に対して圧倒的に無力な存在です。じたばたしても無駄無駄無駄…どのみち終わりから免がれられない悲しい運命です。

そんな自分達に唯一出来ることと言えば結末が来るまで物語を進めることです。形はどうあれ行き着く先は変わりません。しかし結末までにたどる途中は喜劇かはたまた悲劇か…そこまではわかりません。どうせなら精一杯楽しんで喜劇にしたいものです(´ー`)

スタート時点にいたハロルドは傍目から見ても主人公らしくない。仕事一本、友達は片手ほど、恋人はいない、無趣味、職場と家を往復する毎日、顔色は浮かない…何処かにいるもっと主人公らしい人に自分の人生の主役の座を取られたのかもしれません。

カレン(ハロルドの作者)が結末を描いたことには意義があったのかもしれません。死を意識することでハロルドはかつてないほど人生をエンジョイし始めます。友達の家にお泊まり、セクシーな恋人、憧れていたギター、心底生きてるって実感(こんな時に充実し始めても時すでに遅しですが…笑) これは神様のメッセージかもしれません。神様曰く「人生を楽しめ」です(迷惑な伝え方ですけど笑)

劇中でハロルドが迎えた結末はネタバレになるので語るのは控えます。事実なら傑作。小説なら凡作。甘いクッキーは必携です。

自分は主役の座にいる感じがしません。作者がいるなら文句を言いたい。もっとお手柔らかにお願いします。せめて黒髪の映画通の乙女にめぐり合わせて下さい…このままでは心がもっとハゲ散らかしちまいます…レビューを読んで頂いてる人には喜劇的に見えても自分には悲劇的です…ハゲルヤΣ(゚∀゚ノ)ノ