ユミコ

父ありきのユミコのネタバレレビュー・内容・結末

父ありき(1942年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます


小津さまといえば 智衆さま…
戦時中の小津さま作品は こちらのみらしいです。

妻(母)を亡くした父(笠智衆さま)とその息子のお話(女性は殆ど出てきません)。
父は教師をしていたが、訳あって息子と離れ東京で働くことに。当然、息子は父と離れたくない… しかし事情があって2人は離ればなれの生活に。
やがて成長した息子(佐野周二さま)は、思いは変わらず父と暮らしたい。しかしその願いは叶わない。そんな時、思いがけず1週間 父と過ごす事が出来たのだがそれも束の間、父は病に倒れ、間もなく帰らぬ人に…

息子はずっとずっと父を追い求めていたが、父は息子の将来のためだけを思い ひたすら働いてきた。そして息子の望む通りの進路を歩ませる事が出来た。
でも息子はずっと寂しかった。
金銭面で満足のいく生活をさせてやる事が出来なくても息子の側にいてあげるべきなのか、それとも離れて暮らし寂しい思いをさせるがしっかり教育を受けさせ 希望する職に就かせてあげるのが最良なのか、最後までわからなかった。この息子の場合、例え貧乏でも父と一緒にいたかったように見えてならない。父の亡き後も彼からその思いが消える事がなかったから 。
中学生になる当時の最初の父との別れの際、2人で渓流釣りをした後ろ姿と、成長し再び渓流釣りをした2人の後ろ姿は、何気ない静かな日常のひとコマなのかもしれないけれど かなり印象的だった。しかし息子の後ろ姿はいずれも変わらず寂しそうだった。