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ポストマンのHKのレビュー・感想・評価

ポストマン(2007年製作の映画)
3.5
長嶋一茂主演、製作総指揮による日本映画。監督は「旅立ち~足寄より」などの今井和久。キャストは長嶋一茂、北乃きい、原沙知絵などなど

緑豊かで海に囲まれた田舎町である(架空の)千葉県房総町を舞台に、そこに存在している郵便局に勤める郵便局員の男海江田龍平と彼の息子や娘との進路を巡った問答などを軸に彼らの親子愛の再生や絆などをほのぼのに描く。

監督が松山千春の伝記的作品の映画監督を務めていたのが意外であった。確かにこの人の作風らしく、何というかロケ撮影中心の背景となる田舎の光景を瑞々しく映していてとても良かったと思います。

しかし、題材となるストーリーも何とよくありがちなドタバタコメディーでありながら、シリアスな所はシリアスに描いていて良かったと思いますね。ただ、扱う題材があまりにも地味なせいか興業作品として失敗してしまうのは頷けます。

映画を観ていますと、自分も郵便局で仕分けのバイトをやったことがあるのですが、ちゃんと仕分けの部分も含め実際の職場での手順と変わりなく、職場の雰囲気も遜色なく再現できているのでそこはとても良かったと思います。バタンコという配達用自転車などの存在もこの映画で知ることができて良かったと思います。

ただ、それ以外のキャラクターの作り方は、なんか典型的な2000年代の邦画でありがちなコミカルなキャラクターに落ち着いてしまっているのが残念と言いますかね。よくありがちな邦画の一つとして埋もれてしまっても仕方がない出来です。

それでも、決して観ていて退屈な作品でもなく、観れて良かったと思っています。何よりも制服姿の北乃きいが清純派っぽくて可愛いし、それだけでも絵になるので良かったと思いますね。

長島一茂の演技も悪くはないのですが、どうも無理して明るいしっかりとしたキャラクターを演じている感がしてしまいましたね。笑顔に覇気とか心が無いと言いますか、そこが残念。

まあ、よくある邦画ですが、観れて良かったと思いますよ。それ以上もそれ以下でもないけど。
HK

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