あやこふ

ペパーミント・キャンディーのあやこふのレビュー・感想・評価

4.5
「人生は美しいか?」

とあるシーンで主人公のキム・ヨンホが発するこの言葉。

自分が拷問する人間の日記の中からこの言葉を見つけた時、この質問をした時、彼はどんな気持ちだったろうとずっと考えている。

ヨンホがどうしてあんな屑な生き方をする人間になってしまったのか、線路を逆行し、電車が走り出した19年前に辿り着き彼に起こった事を知るまでは本当に観ているのが辛い。シークエンスを繋ぐ線路と自然の風景だけが癒やし。

ひとつの歴史的事件が個人に及ぼす影響、記録には残らない事件。裁かれない罪。

川辺に咲く花の美しさに感動した繊細な心の青年は、自分を許す事ができず人である事をやめたのだろう。

そして私は韓国の歴史を知らなすぎる。もっと隣国を知らなければ。