ペパーミント・キャンディーの作品情報・感想・評価 - 2ページ目

ペパーミント・キャンディー1999年製作の映画)

박하사탕/PEPPERMINT CANDY

製作国:

上映時間:130分

ジャンル:

4.0

「ペパーミント・キャンディー」に投稿された感想・評価

chip

chipの感想・評価

3.6
迫りくる列車の前で
「帰りたい!!」と叫んだヨンホ。
いったいどこへ??

時間を巻き戻す形で進むストーリー。
どうしようもないクズのように思えたヨンホにも
20年前、輝いた美しい日があった。
帰りたかったのはあの日、あの日ピュアだった自分、
空を見上げ野草に微笑み涙した自分だったのだろう。

あの時素直になれなかった、後悔。。。

カメラ、ペパーミントキャンデー…
甘くて苦い思い出になってしまったのが切ない。
きっこ

きっこの感想・評価

4.0
冒頭のトンネルで、恋恋風靡?!
見ていくうちに、欲望の翼?!
6章で、シェルブールの雨傘だったかーなんてことを思いつつ。
イ•チャンドン監督の現代"意訳"が効いた「バーニング」で魅せた力量の片鱗をみた、という感触。

「手の汚れ」
彼女に「きれいなて」と言わせる残酷さよ。

追記)リマスターの鮮やかさに感謝感激!
nana

nanaの感想・評価

-
主演のソル・ギョングがひとりの男の若い頃〜現在までを演じ分けているのが凄い。
同時期に撮ったとは思えないビジュアルの変化でした。
若い時はちゃんとどこか幼く見えるし、現在のやさぐれた感じも。全然違う。

全てに自暴自棄になった男。
かつては心優しかった青年が、何故このような状態になってしまったのか?
彼の人生が逆戻りになって描かれます。
エピソードの間に挟まれる逆再生の電車が印象的。

誰だって、自分の人生がどこでどうなってしまうか分からないという恐怖。
ほんの少しの運命の狂いが、やがて取り返しのつかないことになってしまいます。

最後の彼の表情は、まるで彼のその後の苦しい人生を知っているかのよう。
あの彼は自分の人生の顛末を知った上でまた戻ってきたのだとしたら。
そして知った上でまたこの人生を送っていかなくてはいけないとしたら。
ペイン

ペインの感想・評価

3.5
イ・チャンドン作品は個人的には「シークレット・サンシャイン」が一番。

「オアシス」同様に本作でのソル・ギョングの演技は同一人物とは思えないほど素晴らしい怪演だし、その他諸々クオリティが高いのは確かなんだけど、時系列の描き方がやや心地悪い…

私が基本的に時系列シャッフル映画が苦手なのもあるとは思うが…

イ・チャンドンほどの才能の持ち主であれば時系列シャッフルなんかしなくても極々シンプルなストーリー構成で良い映画が撮れるはず。(後に撮ったけど)
2019/06/12 映画館 🍬
人生は美しい
忘れがちだけれど
デジャヴ。。
人生を終わらせる日からテープを巻き戻し、男の遍歴をたどる物語。。

知らない土地、レイトショー、赤ワイン3杯
暗闇の中、疲れとほろ酔いでトイレも3回

ダンスダンスダンスの上巻を読み直した後だったからか、デジャヴを感じた

このキムはいろんな人を失い、いろんな大事なものを失った。ダンスダンスダンスの僕も。そして、私も。
酒飲んだ後だからか、不思議な気持ちでこの映画をながめていた。。
傑作。圧倒的面白さ。

暴力とは極論当事者が認めない限り成り立たない。選択を奪われたとき(つまり死)、選択を奪われたと錯覚させるときのみ無条件で暴力が成り立つ。

人は選択しなくてはいけない。唯一選択できないのは選択しないということだ。親密さいわくこのトートロジーだけが問題ではない。選択とは信じること。すでにわかっていることを信じることはできない。わからないこと、不確定な未来のみ信じることができる。選択とは可能性だ。

問答無用で、人生は美しい。
Imapotato

Imapotatoの感想・評価

4.5
主演の演技がもう熱演とかのレベルじゃない。振り幅がすごい広い役なのに全ての面を難なくこなしちゃってる。本当に感動した。
時間を遡る構成もストーリーをすごく良く引き立ててる。こういう時間軸の使い方って元小説家のイチャンドン監督だからできたのかな。
6/8
主人公キム・ヨンホの人生を辿っていくメメントと同じ構成になっている。(メメントは構成と設定が描こうとしてることに直結してるので、よりうまく使ってる)
クライマックスに主人公の人生が決定的に狂う事件が来るのを考えると、あそこをクライマックスにするためにこの構成にしたんだと思う。

ただこの構成は観てると疲れるからあんまり好きじゃない。続きで観ないと飽きてくる。

それに最初のエピソードで主人公が人生に疲れていて悲惨なことがわかるから、彼がどうして不幸な目に陥ったかを知ることにもなる。
だから心理的にも超しんどくなった。
オアシスも見ようと思ったけど、もう疲れて観に行けなかった。

警察の尋問強要問題に光州事件といった韓国の歴史もたどり、キム・ヨンホが時代に翻弄されて魂が汚れていく過程を見せられる。

Twitterで日本公開当初に出たパンフレットの一部が上がっていて、各章に出て来る女性は主人公の内面を表現していることを監督がインタビューで話している。主人公の内面を複数の時間軸から深く見つめていて、ラストのキム・ヨンホの涙は、これから兵役に向かう悲しみのほかにも、観客には人生を振り返って悔しい思いで泣いているようにも見える。
観客と映画内の人物で気持ちがすれ違う不思議な体験だった。

音楽はストリングスはいいけど、安っぽい打ち込み音が古くてよくなかった。
4Kリマスターの映像はピクニックの場面で効果がよくでていた。河と背景の森がきれいに写っていた。森は木の葉までクッキリ見えて分かるようになっていた。河もより澄んで飛沫と波紋も分かるようになっていて、そこはスゴかった。

※『バーニング劇場版』のヒット記念にイ・チャンドン監督の『オアシス』と一緒に4Kリマスター版が公開された。
えび

えびの感想・評価

-
いかに自分が人を断片だけ見て判断しているかと思い知らされ情けない。身勝手さに涙も出ない。主人公の男ヨンホの人生を1999年、1994年、1987年、1984年、1980年、1979年の20年間を逆方向から遡り辿っていく。時代の大きなうねりに飲み込まれ、歯車が狂った、というよりも脱線した列車のように周りも巻き込み転落していく彼の人生はあまりにも痛ましい。人生は選択の連続、なんて言うけど彼に選択する余裕はなかったように思う。その時はそうするしかなかった、の積み重ね。ああすればよかったのに、こうすればよかったのに、なんて他人だから言えること。彼にとって何の意味もない。わたしたちは単なる傍観者だと思い知らされる。この先もずっと彼の苦悩に寄り添うことはできないだろう。
"人生は美しい"、彼にとって美しかった瞬間が本当に少しの間であったと思うとあまりにもやるせない。