ハヤシ

セントアンナの奇跡のハヤシのレビュー・感想・評価

セントアンナの奇跡(2008年製作の映画)
2.8
展開や脚本に難あり。長い上にオチも読める。その上で、細かな要素を詰め込みすぎ。単に情報を摂取するだけなら書籍でいい。160分の映画である必要がない。その点で駄目。本当に退屈だった。

米黒人兵と独兵と伊パルチザンが登場する、第二次大戦に基づいたストーリーには新鮮味があったが、大量に登場する人物を生かしきれてない。人物描写が不足していたり、そもそも(制作側の意図ではない形で)クソな人間が多すぎたり。黒人兵のジレンマ(自国の白人との確執)は丁寧に描かれていたが、その部隊が軍としてろくに機能していないくらい弱くて、キャラクターの苦悩にも共感しにくい。

あとは本作に限らず、戦争映画は『プライベート・ライアン』的な物語の型から抜けきれないものが多い気がする(仲間との対立→戦闘を通じて相互理解→大きな戦闘でほぼ全滅)。そのプロットの間にどんな小ネタを挟むかどうかの違い。
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