明石です

白い肌の異常な夜の明石ですのレビュー・感想・評価

白い肌の異常な夜(1971年製作の映画)
3.7
舞台は南北戦争中の南部アメリカ。瀕死の怪我を負った北軍兵士が、女性ばかりの寄宿舎に閉じ込められるお話。男を知らずに育ったキリスト教徒の女性陣が、イケメンの北軍兵士にわれ先にと群がり一夜を共にしようとし、その結果、皆が狂っていくという展開。

なんだかあらすじだけ書くとポルノ映画(あるいはマガジンあたりの恋愛漫画)みたいですが、実際に前半はポルノ映画みたいな話でした。監督はドン・シーゲル、主演はクリント・イーストウッド。硬派な2人が揃って一体何をやってるんだか...と思いながら見てましたが終盤に行くにつれスリラー要素がいや増してなかなか楽しめた。

まあそりゃ異性に飢えている年頃の女性の元にクリントイーストウッドみたいは色男が手負の状態で転がり込んできたら、そりゃハーレムになるわな、と思えなくもない笑。でもこのクリントの役柄が嘘つきで女たらしという、男からも女からも嫌われるようなキャラクター。他人のハーレムを見て何が楽しいんだ!という人は見ないほうがいいかも笑

粉砕骨折した主人公の脚を、看護師が医学書を見ながら切断するシーンは思わず叫びたくなった。痛い痛い痛い痛い!って。まだ70年代前半の動画だからか、画面には直接映らないけど、ノコギリでギコギコする音がほんとにつらい。朝起きて足がなくなってることを知った時のクリントの顔も含めて完璧なトラウマシーンです。

脚を切断されたのを機に怒りから主人公が狂っていくのですが、その怒りはわかる気がする。素人判断で「壊疽を避けるために脚を切るしかない」みたいに決めつけて、自分の意志とは関係なしに脚を切り落とされたらそりゃ怒るよ、、しかもその理由が助けようとしたならたとえ死んでも良心は痛まない、みたいな自分本位な理由ならなおのこと。これは切った側が悪い。どこに感情移入してるんだって感じですが笑。

園長が最低すぎて笑ってしまった。善人の皮をかぶっていても中身は醜いアヒルの子。自分で手を下すのを避けて12歳の女の子にやらせるとかどんだけ鬼畜なの!と思った。これは人間の汚さが際立った作品でした。いやあ気味が悪い!もちろん良い意味ですが。
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