南北戦争を背景に、負傷した北軍兵士が少女に助けられて連れて行かれたのが女性だらけの学園、そしてそこでは女性たちの欲望と嫉妬、憎しみが渦巻く…というドン・シーゲル監督のサスペンス的エロティックな映画。
北軍兵士マクビー(クリント・イーストウッド)は南軍兵士(敵)を助けるために撃たれて右脚を負傷して、森で少女エミーに助けられる。
連れて行かれたのは女性だらけの学園。
そこには女園長1人と女性生徒6人、そして黒人女性の「おんなの館」。
搬入されたマクビーの逞しい身体を先生が拭いているのを見た女生徒は、「男の身体の感触を楽しんでいるみたい…」とつぶやくあたりから、生々しいエロティックな世界が始まる。
この映画、女性の裸などを露わにすること無く、物語の語り口で「エロい世界」を描くあたりはドン・シーゲル監督の見事な演出だと思う。
園長のミス・ファーンズワース(ジェラルディン・ペイジ)も最初は「敵兵なんだから味方の兵士に突き出そう」と思っていたものの、マクビーとキスするに至る。
先生も同様。
キャロルという生徒も同様。
…といったかたちで、次々と女性たちを自分の虜にさせるだけの魅力がイーストウッドにはある。
その後、物語が急展開する凄い映画であった。
何でもかんでも描こうとせずに、こうした奥ゆかしさを保ちながら、サスペンス要素を盛り込みながら「眼が離せない映画」はなかなか無いだろう。
ドン・シーゲル監督、さすがである。