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麦秋のricoのレビュー・感想・評価

麦秋(1951年製作の映画)
5.0
ここ数年の悲願だった「麦秋」をフィルム上映でみれる、という願いを実現してきました。
しかし、ほんと毎回久しぶりで尚且つ古いフィルムなもので、終始ひどいコマのブレとか、音声の歪みとか、一部完全に画面と音声がいっこく堂状態だったりとか(なぜなのか本当にわからない。なんで?)、完璧な小津の映画が不完全でしか見れないことにストレスを感じてしまった。
マスターもないのに、デジタル上映はそれはそれで「違うなあ」と思うだろうし、難しいですね。

文句はさておき、内容は結婚してしまう事で家族がバラバラになってしまうというお話で、今回はもしかしたら「のりこは、失った家族を求め、不在の兄の代わりに兄の友人と結婚を決めてしまうが、その事により家族が分裂してしまう」話だったのではないか、と思いつつ見てみたけどしっくりこなかった。
というか、この映画はほんとにじっくり見れば見る程しっくりこない。

一昔前、オープニングの朝食のシークエンスの素晴らしさを解いた論文みたいなのがネットに上がっていたのだけども、最近探したら消えていた。あのシークエンスで小津は家族全員を家の中を一回りする事で完全に紹介している。

改めて見ていてきづいたこと
最後の写真をとるシーン、お父さんとお母さんを撮る時に立っている3人はポーズも同じ。
鉄板扱いされている「あんぱん」のシーンは年寄りにもウケない。

あと、小津映画の女性はやっぱり強いなあと思った。のりこが結婚を決めたことを両親、兄、兄嫁の前で話しているシーン。場を切り上げるのを先導するのは東山千栄子だ。