キミシマユウキ

麦秋のキミシマユウキのレビュー・感想・評価

麦秋(1951年製作の映画)
3.9
北鎌倉で暮らす間宮家の長女紀子は周りが結婚していく中でも未だ独身で”売れ残り”だと冷やかされていたが…

『晩春』『東京物語』の
!!小津安二郎監督!!
午前10時の映画祭でやっていたので鑑賞。


「私みたいな売れ残りでいい?」


『晩春』に引き続き、嫁に行かない娘とその家族を描く物語。
前作では父と娘の絆に焦点が置かれていたが、今作では更に父、母、兄、兄嫁、甥っ子×2の多彩な家族をバランスよく映していた。
“古き良き日本の家族”
を見事に描いているので、外国人とかに例として見せてあげたいですね。
相変わらず定点で人物の顔にフォーカスをあてたカメラワークだったので映画館じゃないと自分は集中出来なかったかもしれない。
個人的には未婚組の女子二人の身内ノリみたいな会話のテンポと甥っ子次男のやさぐれてる感じがいとおしかった。

主演は原節子。
相変わらずお美しいです。お転婆だけど知的に見える不思議なキャラ。
兄役に笠智衆。
あら、この前お父さんだったじゃない!前作より父親役の印象が薄いのはきっと笠さんのお兄ちゃんがキャラ濃かったからでしょう。
あとは友達アヤちゃん役の淡島千景が非常に可愛らしくて原節子よりタイプでした。


家族を描く人間ドラマを撮らせたらピカイチな小津監督、きっと現代の是枝監督とかも彼をかなり参考にしているんでしょう。
自分にも娘ができたら再見します。
とりあえず『東京物語』は見ます!

人間ドラマ好き、小津安二郎のファン、そして娘がなかなか嫁に行かない方にはオススメの作品。