ちろる

リトル・チルドレンのちろるのレビュー・感想・評価

リトル・チルドレン(2006年製作の映画)
3.5
閉鎖的な町に刑期を終えた幼児性愛者が戻ってくるという噂が町の大人たちをざわつかせる。
そしてそのエピソードと並行して描かれるのは比較的裕福な主婦と主夫の昼顔ロマンスでこの2つの事柄が微妙に絡み合って行くこのストーリーは心には何も印象に残らなそうな物語だけど、
小説の映画化と知って妙に納得、おっさんの色気ある低音ボイスでナレーションが入っているお陰でテンポよくて小説のストーリーとして読めばもっと面白そうです。

ケイト ウィンスレット演じる主人公の身勝手さと娘に対する無関心さは勿論のこと、マウンティング気質の公園のママ友とかパトリック ウィルソンの主体性のなさだとか全ての登場神通に共感できず、この町全てが苛立っていたのでとても居心地が悪い世界に身を置いた気分だった。

"子供を守る親"という地域に馴染める仮面をつけてなんとなく大人のふりをしてるけれど、だれもが未熟でその大人達の未熟さに子供たちが不便を強いられているのは逆に幼い子供たちの方だったりするのかもしれない。
大きな波が落ち着き、全てが整って平和に見せかけているラストだけど、この苛立つような町で育った子どもたちがとにかく心配になりました。
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