キュベレイ

意志の勝利のキュベレイのレビュー・感想・評価

意志の勝利(1935年製作の映画)
3.8
恐ろしいプロパガンダ映画


何よりまず最初に驚いたのがヒトラーがニコッとしたり、集まった多くの人々を見てうれしそうな顔をするのを見せていること。
学校教育などで見てきたヒトラーの顔は怒っているような厳めしい顔ばかり。こんな顔を見たのは初めてで驚きでした。

また、時には蔑ろにされることもある肉体労働者達を自ら直接激励し、若い兵士達を「平和を愛し、勇敢に」と鼓舞する。兵士達に声をかけながら握手をし、2列目にいる人にも手を伸ばす。
全体で同じポーズをとり、かけ声を言う。映画が盛り上がる。

ヒトラーがしたことはもちろん知っているし、許されることではないと思っています。
ですが、当時人々が信じていたのは、学校教育などで教えられるような厳めしい顔をして人種差別を叫んでいただけの人物ではないということは知っておくべきだと思わされました。そちらの方がよっぽど恐ろしく、こちらがきちんと考えない限り、その勢いに飲まれてしまいそうになります。
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