ごはんちゃん

銀河鉄道の夜のごはんちゃんのレビュー・感想・評価

銀河鉄道の夜(1985年製作の映画)
5.0
何年も前の大晦日、パパと姉と3人で初日の出を見に行くまでの時間潰しに炬燵に入りながらこれを見た。大晦日は棚卸しもあるのでパパの仕事上がりは遅く寝ずに初日の出を見に行こうとしていた。
姉は編み物をしながら、私は釘付けでこれを観ていた。

初っ端の音楽、真っ黒な画面の中央に白い点に心を掴まれた。何かが起きそうな不穏な曲、主人公の内向的で陰った感じと境遇がどこか自分と似ていて更に惹き込まれた。唯一の理解者であるカンパネルラも他の校友との手前あまり構ってくれなく切ない…

風化していく街のシーンと中盤ドボルザークの新世界が流れるシーンが好き。
新世界が流れるシーンではジョバンニが窓の外へ目をやると草原の中にある小さな家と小さな子。
女の子がジョバンニの顔を見ながら"私あの子を知ってるわ"
ジョバンニも"僕も知っている"と答えているシーンがとても印象的だった。

カンパネルラとの別れは凄く悲しく号泣ものだったが、炬燵を挟んだ先に姉が居るために号泣出来ず静かに涙を流し素知らぬふりをしていた。
見終わった後、泣いたと姉に話すと"泣くところあった?!"と驚かれ、驚かれた事に驚いた。その後立て続けに「踊るマハラジャ」を観ながらパパを待ったが中々来ず、私達は寝ていた。
棚卸しは朝方終わりパパも私達が寝ているのを見て寝たらしい。気を取り直して初日の出ならぬ初日の入りを見に行こうと出掛けたものの、道中にて日が入ってしまった。

今は亡きパパと湘南平まで行って帰ってきた、いつかの御一日。

この日の事は忘れない
サントラが欲しいな〜