旅するランナー

めがねの旅するランナーのレビュー・感想・評価

めがね(2007年製作の映画)
3.7
【もたいまさこのそんざいかん】

与論島でたそがれる、脱力系時間の過ごし方。
「あっちが海、こっちが町、それだけ憶えとけば大丈夫」な、観光するところなんてない場所で、僕たちは小林聡美と一緒に、心の重石・不純物・不要物をそぎ落としていき、気持ちが軽くなっていく。
一種のセラピー映画です。

そして、もたいまさこの不思議な存在感。
メルシー体操、自転車、かき氷、マンドリン...
そこはかとない面白さが漂います。
朝目覚めたら、もたいまさこが枕元に座っているのは、ちょっと恐怖ではありますが...

力の抜けた人たちをボ~っと眺めているうちに、もしあなたに悩みの一つや二つあったとしても、観終わったあかつきには、あれ?何悩んでたんだっけ?っとなるかもしれません。
「旅は思いつきで始まるが、永遠には続かない」みたいな深イイ言葉も心に沁みてきます。

悩みや悪い状況だって、永遠には続かないのです。
そんなもの右から左へやり過ごしちゃいましょう。
この映画が大丈夫だよって言ってくれてるみたいです。
この映画は思いつきで観始めたけど、もたいまさこの表情や動きは永遠に忘れないだろうな。