広島カップ

タワーリング・インフェルノの広島カップのレビュー・感想・評価

4.0
70年代オールスターキャスト・パニック映画の代表作。
それぞれの役者に一応ストーリーは用意してあるのだけれど人数が多い故にやはり薄すくなってしまっている感じは否めません。真面目にキチンとやったら四時間超の大作になってしまいそうなくらい名優達がゾロゾロ出ています。

キャストの中ではやはり二人が突出して目立っています。オープニングクレジットで一番最初に画面の左右に並んで名前が出ていたマックイーンとニューマン。
向かって左のマック..よりも右のニュー..の方が一行分だけ高く表示されているのが二人の微妙な関係を表しているよう。
(フィルマのこの絵でも若干ニュー..の顔の方が上です。笑)

作中でお互いに助け合って火災の鎮火に当たる二人ですが演技としてはバチバチと火花を散らしている感じがします。
元々ニュー..の出世作『傷だらけの栄光』(1956)で端役として映画デビューを飾ったマック..。映画界の先輩であるニュー..に対してこの頃には肩を並べるくらいにビックになっていました。マック..としては直接対決で「いっちょお前を抜いてやろうやないけ!」と思っていたかも知れません。
劇中の役割としてもエラーを犯して出火させてしまった側のニュー..とそれを懸命に消火する側のマック..とではそもそもの立ち位置としてマック..の方が優位に立っています。
「オメェらがいい加減なことスっからこんなことになるんやないけ!」
と、ラストで座り込んでいるニュー..を上から見下ろしながら静かに会話を交わしているマック..はそんな雰囲気が濃厚でした。
実際、颯爽と現場を去って行ったマック..の方が格好良さでは優っていたような気がします。
ニュー..にはこの後訴訟や裁判が山ほど待っていますしお疲れ気味な幕切れでした。
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