アンタレス

タワーリング・インフェルノのアンタレスのレビュー・感想・評価

3.9
「今にこんなビルで、一万人の犠牲者が出るぞ」

地上138階の超高層ビル『グラスタワー』
竣工式、300名以上の来賓を迎える大規模なパーティーの最中、小さな違和感から悪夢は始まった。コスト削減のために規格落ちの配線を使うなどの手抜きが原因により小火を招いてしまう。
最新のビルで延焼などしないと高をくくるものの、事態は深刻さを人知れず増すのであった。マイケル・オハラハン(スティーヴ・マックィーン)率い消防隊が到着する頃に眼前に広がるのは、そびえ立つ地獄そのものであった。


70年代にここまでのクオリティのパニック映画を撮れたことに驚きである。
今観れば、確かに疑問符を浮かべるシーンも散見されるものの、スティーヴ・マックィーンとポール・ニューマンを始めキャストの華と実力、そして土台のしっかりした脚本があるため気になるほどではなかった。
「今にこんなビルで一万人の犠牲者が出るぞ」
この台詞はスティーヴ・マックィーンの劇中ラストで語られる言葉であるが。およそ30年の後、3000人規模の被害者が出た大災害が起きるとは、誰も本気では考えていなかっただろう。あのビルもボーイング707の衝突に耐えうる設計だったものの、同サイズの旅客機の衝突により崩壊したのである。
パニック映画の金字塔と呼べる作品だと感じた。
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