MASH

タワーリング・インフェルノのMASHのレビュー・感想・評価

3.5
スティーヴ・マックイーンにポール・ニューマン、ウィリアム・ホールデン、フェイ・ダナウェイ、そしてなぜかミュージカル俳優であるフレッド・アステア。当時の大スターが大集合したパニック映画。 この前に『ポセイドン・アドベンチャー』という、これまた大スターが大集合したパニック映画が大ヒットというのもあり、『タワーリング・インフェルノ』はその当時のパニック映画ブームに乗っかった映画とも言える。2時間45分と長すぎるという欠点はあるが、大スターたちの共演と迫力の特撮を観るだけでも楽しめる作品であると思う。

スター大集合といってもメインはポール・ニューマンとスティーヴ・マックイーン(ややポール・ニューマンの方がメインかな)。こんな大スターが同じ映画に出ているというだけでもちょっと感動してしまうものがある。流石は大スターといったところで、彼らの最後のシーンは本当にカッコいい。ミュージカル俳優であるフレッド・アステアもまた中々良い役をしていて、これまた最後のシーンはちょっと泣かせるものがある。

でもやっぱり2時間45分は長く感じてしまう。超高層ビルが火事になるという危機的状況を描いているにも関わらず、その上映時間の長さ故に中盤辺りが全体的にダレている。ビルが燃え上がるシーンや爆発するシーンなどは迫力ある映像なのだが、それ以外は「誰かが何かをしている」というだけシーンが多く、とにかく絵面が地味。そういう時間をもっとキャラを描くのに回して欲しかった。ラストの生き残った人々のシーンは非常に感動的であるであるが、それはあくまで俳優陣の力であって脚本的にはキャラの描き方が足りていない。

スター大集合は観てて楽しいし、それぞれ良い演技をみせてくれているものの、その規模だったりパニック映画にしては地味な印象を受けてしまう(時代的にしょうがない部分もあるが…)。前半は人が燃えたり天井が崩れたりと迫力があるのだが、映画として盛り上がるべき中盤以降が結構退屈。ラストで派手な展開や感動的なシーンを持ってきてるがそれまでが無駄に長い。良いシーンは本当に良いので、ちょっと色々ともったいなく感じる映画だ。
MASH

MASH