グラビティボルト

勝手にしやがれ!! 英雄計画のグラビティボルトのレビュー・感想・評価

5.0

「フレームイン/アウト」の教科書みたいに見えました。後、ある種の黒沢清集大成。
ユウさんがいなくなってからの不穏はデビルマンであり入江「ビジランテ」すらも感じる。
画面奥から黒沢友香、哀川翔、前田耕陽を一直線に結んだり構図の格好良さは勿論だけども、それ以上に人物からとことん離れたカメラが匿名性というか特別な人物がいないニュアンスを際立てる。
常に緩くても大丈夫だった二人を初めて心配させるように撮られてると思う。
だからこそラストのワイルドバンチ的な黒沢空間には呑まれるしかなかった。いつも通りな会話に、明らかに「彼方側」を感じさせる霊的空間。姿が靄と同化する二人と、洞口女史を「来訪」する風!
異様なモノを観たけど人物の出し入れやアクション、省略で進む純映像作品というか。