主婦Z

ディア・ドクターの主婦Zのレビュー・感想・評価

ディア・ドクター(2009年製作の映画)
5.0
大好き。何回めか。
とにかくこの映画は物語、映像、音楽、役者、すべてがすごいと思います。

序盤でもう死にそうなおじいちゃんが寿司喉につまらせて一瞬死んだシーン、心臓マッサージする前にありがとうございましたと言う家族たちの気持ちもよくわかるんだけど、たぶんあの家で一番介護してたであろう若いお嫁さんの、あの手の動きや力の抜け方を見るだけで、彼女があの家でどんな生活をしていたのかわかってしまうのがすごいよね。

鶴瓶さんはほとんどそのままなんだけど、瑛太に偽物だと告げるシーンや、エレベーターに乗ろうとするとき、病院から立ち去る顔なんかもうね! 八千草さん最高に美しい。瑛太と共演した最高の離婚でのおばあちゃん役も大好きだったよ、もう亡くなってるなんて信じられない、泣。八千草さんはいつも優しくて穏やかな役で、今回もそうであったけど、キッチンに立って後ろを向いたまま、鶴瓶に向かって話(嘘ついてよと)をしたときは、脅しのようで、いつもどおり穏やかなのに物凄く怖くて、すごい役者だったんだなあと改めて思いました。 あと中村勘三郎、一瞬なのに、本物の医者かと思うほど。ほかの役者さんたちもみんなとても実在している人たちだと感じることができる。

香川照之は、西川美和さんが撮ったときが一番良さが出ると思う。西川美和さんは、日々の「疲れ」を撮るのが本当にうまい。とくに、鶴瓶を追いかけて病院を走って出ていった瑛太のあとのシーン、余貴美子さんが香川照之のほうを向くと思ったら向かず、香川照之も同じように目線を逸らすのがマジ痺れました、、、。

松重さんはほとんどアウトレイジ、笑

緊張性気胸で針を刺すとき、とてもドキドキした。

最後、配膳係になってやってくるのは少しホラーに思った。手紙やあのライトのついたボールペンを届けるくらいでよかったのでは。
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