人口1000人程のとある農村地域。そこにたった1人しかいない医者が突然の失跡。そこから色んな複雑な事情が浮かび上がる物語。
まず主演の笑福亭鶴瓶。本当に自然体な演技でしたね！本人がそのまま医者としてやっているような雰囲気でしたし、その優しい人柄がストレートに反映された役どころ。素晴らしかったです。
その田舎町にやってきた瑛太演じる研修医や、胃ガンを患ったおばあさん役の八千草薫、ベテラン看護士の余貴美子の存在感も大きな魅力でした。
都会と田舎の医療の違いや、医者として患者とどう接するべきかなどのテーマを、控え目ながらも切り口は鋭く描いています。
失踪した主人公の行方を追う現在と、診療所の日常を描いた過去を交差させながら展開する構成もお見事。
社会派ドラマを描かせたら一級品の仕上がりを見せてくれる西川美和監督。「ゆれる」が非常に見応えある作品だっただけに期待しての鑑賞でしたが、本作もなかなかの完成度でした。
