MountainDew

わらの犬のMountainDewのレビュー・感想・評価

わらの犬(1971年製作の映画)
3.9
序盤からだだならぬ不穏な雰囲気。
酒場でのやりとり、修理中の家を
任せられた男どものいけすかん行動。
スリラーのお手本と言わんばかりに
主人公の弱々しい態度とは対照的に
観客を含めてストレスを与え続ける。
後半は怒号の開放的な暴力の連鎖。
後半は視覚的にわかりやすいくらいに
丁寧に観客の気持ちと主人公デビットの
思いの丈を描写している。
「ここは僕の家だ、僕自身なんだ。
ここでの暴力は許さない」
そう言いながらも彼の健気な願望は
打ち砕かられる。
からのラストのセリフ。たまりませんな
ペキンパーのちょっと上から目線が
気になりますが、、
タイトルと襲って来たチャーリーの最期からも読み取れるように人間の暴力による業を描いた作品なのかなと。
シンプルな作りなのに最後はどしんと
くる作品の熱量に圧倒。
途中のレコードでの演出が好き。
いい具合にクライマックスに拍車を
かけてくれます。
後半のクオリティーは言わずもがなですが
一見すると蛇足に見える序盤から中盤の
シークエンスも主人公の偽善者ぶりや
村という限られた空間での人々の集団心理と閉塞感。倦怠期の夫婦間での
薄っぺらい関係性など
西部劇、印象のペンキパーからは想像の
つかない描写力。
これあっての後半の展開なのかなと
ジリジリと盛り上げにかかるのが
ゾクゾクする。
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