サム・ペキンパー監督映画第6作目。1年ぶりくらいに鑑賞。前作「砂漠の流れ者」とは打って変わって究極のバイオレンス映画に仕上がっている。
衝撃的なストーリー展開が素晴らしく、ペキンパー監督のハイセンスな演出もキレキレ。ペキンパー流バイオレンス映画の傑作。
ストーリーはゆっくりとしたテンポで静かに進んでいくが、中盤と終盤のふたつの見せ場(レイプシーンと対決シーン)に途轍もない暴力描写が詰め込まれている。この静と動のバランスが見事で、一貫してゆっくりなテンポも絶妙だった。
ペキンパー監督の細部までこだわった演出が印象的。例えば主人公がメガネを外すタイミングやタバコを吸うタイミングなど、キャラクター達のちょっとした行動や仕草にまでしっかりと心理描写が詰め込まれて見事だった。
ダスティン・ホフマンとスーザン・ジョージの好演が印象的。お互い違ったタイプの俳優だが、共に迫真の演技でとても見応えがあった。
あれほど争いを避け暴力を許さないと言っていた主人公までもが、最後の最後に最大の暴力で応酬。どの時代にも蔓延る人間達の争いや暴力性は止めることができないとうことなのか。