ハシオ

わらの犬のハシオのレビュー・感想・評価

わらの犬(1971年製作の映画)
3.5
本作は、1971年に公開されたサム・ペキンパー監督作品。
サム・ペキンパーとしては初の現代劇みたいですね。
原作はイギリスの作家ゴードン・M・ウィリアムズの『トレンチャー農場の包囲』。
そして、名優として名高いダスティン・ホフマンが主役を演じています。

ちなみにタイトルは、“「天地不仁、以万物為芻狗」という『老子』の言葉に由来。
天地にとって万物は芻狗(祭儀に用いるわらの犬)のようなものでしかないという意味である“…らしいです。(wikipediaより)

内容としては、数学者のデイヴィッド・サムナー(ダスティン・ホフマン)と
妻エイミー(スーザン・ジョージ)が物騒なアメリカから、平和なイギリスの田舎に引っ越すところからスタート。

ただ、順風満帆な田舎暮らしとはいきそうにないほど、イヤ~な雰囲気が立ち込め、荒くれモノがのさばっている村で、何というか現代人が西部劇の世界に紛れ込んてしまったような感じですね。
とても現代に思えない (笑)。

そして、イギリスといったらジェントルマンのイメージですが、この村は本当に下品な白人たちばかり。
唯一話が通じそうなのは、村の秩序を守るスコット少佐(T・P・マッケンナ)なる人物のみ(警察という訳ではなさそうですが)。

謎だったのは、妻のエイミーがやけにセクシーで、何故かノーブラという無防備スタイル。
まぁ後々に起きる惨劇の布石なんでしょうが…。
調べてみたら、ノーブラはこの時期の流行?だったよう。

正直、中盤まで大きな進展もないので、
見ていて退屈な部分もありましたが、衝撃を受けたのは、やはり妻・エイミーに襲いかかる事件とあのラスト◎
ダスティン・ホフマンの演技が素晴らしい!
全てやり終わったあとの、あの虚無感漂う顔はまるでオナニーした後のよう! !

やっぱりラストにカタルシスを感じられる映画は好きですね~。
ただ、この作品って、“田舎”に対する怖さを描いていると思うんですが、
実際、イギリスの田舎に住む人はこれ見てどう思うんだろう…(笑)
ハシオ

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