このレビューはネタバレを含みます
“攻殻機動隊”から100年後の世界。士郎正宗のユートピアSF。
ヒト、ヒトを機械化したサイボーグ、感情を抑制されたヒトクローン“バイオノイド”。それぞれが理想を説くディストピア映画。バイオノイドとコンピュータによって運営される都市国家オリュンポスが世界大戦後の疲弊した社会を統治する。
理想を実現するには結局全体主義に走るのか。多様性を排除することが手段となるのか。
じいさま方穏健そうに見えて怖いこと言うし、軍部もクローン達も不遜だし…一応ラストは希望を託すというオチなんだろうけど…うーん、モヤっとする。
アップルシードはどれもこれもモヤっとする。そもそもオリュンポスがユートピアに見えないから前提を共有出来ない。さらに言えば主人公二人は現状肯定派。揉め事が進むとだいたい蚊帳の外になるか、核心とはズレた所での発言になってくる。だから主人公を追ってると、他の強烈なキャラが過激な思想を言い出してついていけなくなったりする。