ちーくん

赤ひげのちーくんのレビュー・感想・評価

赤ひげ(1965年製作の映画)
4.6
黒澤明監督作品。とんでもなく面白かった。3時間とあって観るのを躊躇していましたが、あっという間に時間が過ぎ去りました。これは邦画のヒューマンドラマの最高峰の作品だと思いますね。一人の医者が成長していく姿、死んでいく者の過去の後悔、身も心も酷く病んでいる子供が一人の医者によってだんだんと心を開いていき、自分の事を救ってくれた医者の看病をするようになり、貧困の子供を助けるまでに優しくなった姿、7歳の子供でありながらも非常に貧しく、泥棒までして必死に生きていく姿など、人間味や人間愛が溢れていて泣けてきますね。三船敏郎演じる赤ひげも素晴らしい医者だったなぁ。常に患者のことを思って、常に正しいことをしている赤ひげはカッコよかったなぁ。面白いシーンもありましたね。心も体も病んでいる女の子を助けるべく、赤ひげが用心棒をボコボコにして、「こんな乱暴は良くない、医者ともあろう者がこういう事をしてはいけない」って言った時には大笑いしました。女の子に酷い扱いをしていた娼家の女主人に「そんな奴に触るな手が腐るぞ」って言った時も笑っちゃったし、カッコいいなぁと思った。最初あんなに養生所から出たいって言っていた保本が、最後には何があっても養生所から出ないって言っていたのも良かったなぁ。三船敏郎の演技も素晴らしいですが、それ以外の役者も全員上手いですね。特におとよや長次はまだ若いのに役になりきっていて素晴らしかったです。僕の中では間違いなく黒澤映画のナンバーワンであり、邦画のヒューマンドラマ作品の中でもナンバーワンです。
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