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赤ひげのyuuuumiのレビュー・感想・評価

赤ひげ(1965年製作の映画)
3.9
舞台は江戸時代。長崎で医学を学んだ青年・保本は医師見習いとして小石川養生所に住み込みで働く事に。そこで出会った所長・赤ひげとの人情ドラマを描いた作品。

3時間超という長い長い作品。
先が思いやられそうな病人だらけの病棟では病人達が牢獄のようにひしめいている。
プライドの高い保本はこの診療所で働く事を受け入れられなくて態度も上から。私はその態度こそ受け入れられない。病人よりも手に負えない保本。

赤ひげと接していく事によって貧困や無知の現実と向き合い、病や怪我に苦しむ病人を診断していくことによって、自分には何もできないことを思い知っていく保本。

外科処置の場面では、江戸時代に麻酔があるのか分からないのですが、苦しむ患者の様子からはまだ浸透していない様子で、この時代の医療はまだまだで、今現在、全身麻酔で手術できるこの時代は恵まれているなとつくづく感じました。

この診療所で過ごし、様々な患者の最期を看とり、赤ひげの背中を見ながら人としても成長していく姿が良かったし、この物語は病気や怪我をただ治療するだけではなく、ズタズタになった心の治療までしてくれる病人達に寄り添った、様々なエピソードが描かれた医療ドラマでした。
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