いつの間にかアマプラに溝口作品が増えていてありがたい。
不義密通は磔(はりつけ)となる時代。
十字架にくくりつけられた男女を見せ、物語がそこに向かっていくことを暗示する。
これでもかと不運が重な…
江戸の浄瑠璃を昭和で映画に、そしてそれを令和の今になって鑑賞する自分がいる・・・文化とはこういうことかぁ
改めて思いました
大店の若妻と店の職人・・・あらぬ疑いの果ての逃避行、その顛末やいかに?
…
「女優は芝居なんか出来なくてもいい。官能的でさえあれば価値がある」
溝口の言葉。
この作品でおさんを演じた香川京子は撮影時まだ未婚の二十代、それが姦通の人妻を演じるわけで、「どうして自分が?」と…
溝口健二の映画は旅映画としても見れると思った。
身分相応の生き方をしなければいけない肩身の狭さ。それに逆らって得られたものは、現実の世界では認められない真実であり、旅を通してその幻想を確認すること…
妥協なきキャラクタリゼーション。人目も憚らずアンアン喘ぐように抱き合って泣く長谷川一夫なんて、ここまでやるか!というほどの見事な演出(演技)。
進藤英太郎の大経師のケチでいやらしい悪役ぶりも徹底し…
作業中に余所見しながら鑑賞したけど、どちらにせよこんな濃密な傑作を映画初心者が一度に堪能し尽くせるワケないか。
日本家屋の精巧な建築ぶりとそれを活かして縦・横・奥にグイグイ動いていく超絶ショットの…