えいがドゥロヴァウ

ダーク・スターのえいがドゥロヴァウのレビュー・感想・評価

ダーク・スター(1974年製作の映画)
3.6
ビーチボールのエイリアン(「マジかよ」という見た目!)が宇宙船内を徘徊し
死んだ船長は冷凍漬けにされながらも尚喋り(冷凍されてから物忘れが激しくなっている)
人工知能を搭載した爆弾が哲学者になるSF映画!
リアリティーそっちのけでそれっぽい感じを出せばいいべ?みたいな開き直った態度が潔い
突飛な設定も「いや未来だから」って言い訳にしちゃうような力技感があって
宇宙の概念に未だにファンタジーが介在していた時代の作品という印象
(その極致はメリエスの『月世界旅行』であります)
この時代のSF映画を観れば観るほど
『2001年宇宙の旅』が如何に特異な存在だったかというのを実感させられますね

爆弾の誤爆を防ぐために冷凍船長にアドバイスを求めると
現象論のアプローチで爆弾を説得しろと言われる
そこで中尉が爆弾に議論をふっかけると
爆弾は「我思う故に我あり」とデカルト的存在論を開陳する
これが素晴らしいアイデアで、それまでちょっと眠たくなっていたのですが一気に目が覚めました
ええ、眠たくはなっていました
ビーチボールとの追いかけっこは超がつくほどタルかったので

ジョン・カーペンター監督のデビュー作ということですが
終盤はもう、ふざけまくっていますね
こちらは1973年の公開で
72年に公開された『サイレント・ランニング』との同時代性を感じるような牧歌的な曲のヒッピーな空気感が流れます
面白い時代です

船長がツボでした!