すずき

ダーク・スターのすずきのレビュー・感想・評価

ダーク・スター(1974年製作の映画)
3.2
地球に衝突の可能性がある不安定惑星を爆破する使命を帯びた宇宙船、ダークスター号。
乗組員の5人の男たちの、ゆる~い日常とミッションを描くSFコメディ。

ジョン・カーペンター監督デビュー作で、制作費6万ドルの低予算映画。
映画の出来はB級もB級なんだけど、流石は(B級界の)巨匠、チープでもキラリと光り、人を惹きつける「何か」、その才能の片鱗が見える。
「いいじゃないか…!三流で…!熱い三流なら 上等よ…!」を体現する名監督ですね。
もちろん音楽も彼の手によるもの。

そして脚本はダン・オバノン。後に「エイリアン」の脚本を執筆する男。
この映画でも、宇宙船という密閉空間で宇宙生物と隠れんぼサバイバル、というシチュエーションがあります。
でもそのエイリアン、すっげーチープ!
もう「宇宙生物」と言えるのかどうか。いや、あれは単なる「ビーチボール」だ!…いや、マジで。

そんなビーチボールと格闘したり、狭すぎる操作室や高すぎるエレベーター、果ては爆弾相手に禅問答と、ツッコミ不在で繰り広げられる脱力シュールギャグの数々。
ハマる人にはハマる、ダメな人にはとことんダメな作品。

私が鑑賞したのは、ディレクターズ・カット版。
なんとこのバージョン、劇場公開版より10分も「短い」!