いしはらしんすけ

ハチミツとクローバーのいしはらしんすけのレビュー・感想・評価

ハチミツとクローバー(2006年製作の映画)
1.0
原作はおそらく10回じゃきかないぐらい繰り返し読んでいる大ファンなのに、いやそれだけにと言うべきか、なんとなく忌避してきたこの映画版。

アマプラに入ってたんで、ついうっかり観ちまったんだが、残念ながらその直感は正しかったと思い知る結果となりました...

個人的に好物な後半の闇展開がまったく無視されて、全然違う着地になってるのは、制作時期が原作の連載終了前ってことで目をつぶるとしてですね。

そもそもド頭から原作の設定やら展開を無視しまくる&それがまったく面白くないので、開始5分を待たずに駄作を確信した次第。

原作には頻出するグッとくるセリフも9割以上未使用。そしてこちらもオリジナル要素がセンスのかけらもなく、クソつまんないっていう。

もはや記憶おぼろげだが、確か3つ、4つほどは原作での名シーンを一応再現してはいるけど、そこすら微妙に無駄な改変が加わっていて、しかもそれがただただマイナスにしかなってないし。

つーか、はぐちゃんの創作者としての葛藤も、竹本くんの自分探しも、森田さんのサクセスぶりも、真山や山田さんのままならない恋心も、矮小化するにもほどがあるよ!

とにかく脚本がダメダメなんで、原作ではあんなに魅力的な主要キャラ7人にもまったく共感できず。キャストも結構微妙かなぁ...そんな中、唯一蒼井優だけは一定のクオリティはクリアしていて、さすがだなと思いました。

大体比較的コンパクトとはいえ、分量的に原作そのままトレースするなんて映画化においては不可能なんだから、こんだけオリジナルを無視するなら、全然違うベクトルのアイドル映画にでもするとかさ。そういう感じにも全然なってない訳で。

そう考えると「3月のライオン」の実写映画はすべての面において相当グッジョブだったなぁ、と改めて思うのであった。