Newman

未完の対局のNewmanのレビュー・感想・評価

未完の対局(1982年製作の映画)
3.8
日本軍の残虐性ばかりが目についてしまった。確かに自分たちの考えが全て正しいと国内外で押しつけていてカッコ悪い軍隊だったようには思うが。日本の名棋士である松波役の三國連太郎は、戦争で煤けた顔だったり、暴力を受けて血で汚れた顔だったりが多かった。それと比べると、妹役の三田佳子はどんなにうらぶれた戦後すぐの生活をしている時にも綺麗な顔で対照的でした。映画の中心は碁の修行のために日本で勉強している中国人と三國連太郎の娘役の紺野美沙子さんとの日中の戦争のために引き裂かれた夫婦の悲しいお話だったように思う。日中国交正常化10周年記念の日中合作の映画にしては、日本が一方的に悪い戦争仕掛け人のように描かれているのは不思議な感じがした。たとえそれが歴史的な事実だとしても正常化を記念しての映画には相応しくないのでは、と見ていた。ところで「未完の対局」というとかなり打ち進んだ碁が終局を迎えることがない状態なのかと思うのだがどうなのだろうと思ったのですが、こういうのも未完の対局といえば言えないこともないかな。紺野美沙子さんが綺麗でした。
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