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コード・アンノウンの一のレビュー・感想・評価

コード・アンノウン(2000年製作の映画)
3.5
『愛、アムール』『ピアニスト』のミヒャエル・ハネケ監督作品

パリに住む女優とカメラマンの恋人、そして彼の弟ら、5人を巡るエピソードを紡いでいく群像劇

いつものごとく観てる側を完全に置いてけぼりにしてくるわけですが、本作は今まで観たハネケ作品の中でも一番意味不明?な思わせぶり?要素が多かった気がする

カットを一切割らない長回しで撮られた複数の登場人物のエピソードを、ランダムに並べたような構成
さらに各シーン毎にあえて不快にさせるようなぶつ切りの不気味な暗転
『71フラグメンツ』でも同じ手法でしたね

内容は複雑で難解
『メメント』の軸をそのまま登場人物を5倍にしたような映画

移民や格差、人種差別も背景に入れつつ、序盤はなんなんだこれ…と、ぽかーんとしながら観ていたはずなのに、終盤からぐいぐい惹き込まれる演出で気づけば食い入るように見てしまった

日本未公開とのことですが、恐らく一度観て理解できる方はほぼいないかと…

そのくらいわけのわからない構成にもかかわらず、何故か凄い映画である事は否定できない
これがハネケの思惑通りなのかとおもうと末恐ろしい…

聾唖の子のジェスチャーゲームで始まりジェスチャーゲームで終わる意図は、人それぞれの解釈があって答えはないということのメタファー…?

2020 自宅鑑賞 No.255 GEO
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