みきてー

小さな町の小さな映画館のみきてーのレビュー・感想・評価

小さな町の小さな映画館(2010年製作の映画)
3.7
北海道の片田舎にある大黒座というミニシアターを追ったドキュメンタリー。

映画映画してないつくり(というかモロNHK風味)ですが、それが大黒座のDIY精神とリンクしているようでほっこりします。

出てくる人たちもみんな大黒座が大好きで、映画が好きな人ばかりで、そこにプライドとか見栄が介在していないすごく優しい世界を見せられました。「○○見たときに当時の支配人がご飯に連れてってくれて~」「学校サボってみんなで××見に来て~」とか劇場に纏わる話を聞くのが大好きなのでもうずっと多幸感にウルウル。Filmarks内でも感想と一緒にその人の生活が垣間見えるようなエピソードが書いてあると思わずいいね押しちゃう、そんな人におすすめです。

↓こっから映画は関係ない私事
私は旦那の家業の都合で来年には東北のド田舎に引っ越さなければなりません。今までまぁまぁ都会に住んで浴びるようにカルチャーを満喫していた生活から、一転何もない土地へ行くのは本当に不安。ただ大黒座やシネマ尾道に関わる本作の人々を見て“田舎だ”なんて言い訳にしか過ぎないんだなと痛感させられます。

ちょうど昨年岡山県・津山にライブを見に行った時も同じことを思いました。津山は今でこそクラストの聖地と好事家に称されてますけど、もともとパンクムーブメントを根付かせたのはほんの数人のパンクス(友達同士)だったそうです。今では30人入ればパンパンのライブハウスに毎週末パンクスが集まるアツい町になってます。アクションさえ起こせば土地が変わっても、純粋な“好き”はうねりを起こすんだよなぁ。
みきてー

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