広島カップ

白い巨塔の広島カップのレビュー・感想・評価

白い巨塔(1966年製作の映画)
3.5
私も直に遭遇したことがありますが巨大大学病院名物の"おねり"、別名総廻診。
患者の治療とは殆ど関係無い、その病院内における権力闘争を象徴するような大先生を先頭にして各病室を練り歩くやつ。
ベッドで寝ている患者にとっては、白衣が大挙してやって来る圧力が物凄くて怖い。

本作でもこれが二回出て来ますが、廊下の奥の方から白い服を着た奴らが、まるで第一投目の前のボーリングのピンのように徒党を組んでコチラに迫って来ます。
二回目のそれには熾烈な院内教授選挙を勝ち抜いて偉そうな顔をしている財前教授(田宮二郎)が一番ピンの位置に据わっています。

いくら手術の腕が良くてもこの人だけには診察して欲しくないなぁと、最近も大学病院に受診に行った私は思います。
田宮は医療知識と手術の腕があって顔は整っているけれど、険のある表情をした外科医を好演でした。

また、法廷で証人に立って厳然と真実を述べる解剖医役の加藤嘉と、第三者として意見を述べる医療界の重鎮役の滝沢修は流石に磨き上げた役者だなあと思わせる貫禄を感じました。
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