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Another アナザーのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

Another アナザー(2011年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

病気療養のため田舎の中学校に転入した主人公は、クラス女の子がひとり孤立していることに気づく。同級生たちは彼女が視えていないかのように無視している。彼女に話しかける主人公だが、それを機にクラスメイトが次々と変死していき…という話。
綾辻行人の原作小説は既読。アニメ版は後日視聴。

死者がクラスに紛れ込むという怪奇現象を扱った作品。原作の設定が緻密で、紛れ込んでいる間は記憶やクラス名簿などの情報全てが改ざんされるため、誰が死者なのか本人ですら分からないという疑心暗鬼の恐怖を描いている。原作はすごく面白い。

当実写劇場版だが、原作のおどろおどろしい空気感はそれなりに再現できていて、主演の橋本愛と山崎賢人の魅力もあって普通の邦画ホラーとしては普通。怪死の描写はかなり頑張っていた。しかし、いかんせん尺が短いため、複雑な「現象」の仕組みを説明するのに精一杯で、それが終わったらすぐ殺し合いが始まってエンディングという駆け足な展開なのはもったいない。致命的なのは、映像作品で度々課題にあがる小説の叙述トリックの表現を完全にスルーしてしまっていること。原作の叙述トリックは本作最大の謎を盛り立てるために不可欠なものであるのに。アニメ版はものすごく手の込んだ情報操作を行なってビックリさせてくれたのに。でもアニメ版の手は実写版では使えないかなあ。

学校ぐるみ村ぐるみで呪い回避のおまじないをしているのはすごいなあ…
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