ひとことでいうと、「フォレスト・ガンプ」からアメリカ史的な要素を抜いて、ファンタジーを足したような噺。
とはいえ、あの映画は恋愛映画としての面も強かったが、本作は恋愛の部分はドラマ性が薄くて驚くほどあっさりしており、力があまり感じられない。
ティム・バートンはこの映画で「父との和解」を扱っているが、それに主軸を置きすぎたせいか、実は次の「チャーリーとチョコレート工場」の方が、かえってそれをストレートに感じたような気がする。
まあ、あえて評価したいのは、ある意味で「8 1/2」的なクライマックスと、ティム・バートンの映画でブシェミが見れる、という驚きにあるだろう。
ユアン・マクレガーは、スターウォーズでアレック・ギネスの若い頃を演じているが、ここで演じるのはアルバート・フィニーの青年時代だ。俳優として嫌いではないし、このキャスティングは面白いとは思うが、イマイチ個性が出ないのは、こういうところにあるのかもしれない。