Automne

ビッグ・フィッシュのAutomneのネタバレレビュー・内容・結末

ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

大きな魚。BIG FISHに邦題をつけるとしたら、「井の外の蛙」かしら。
映画ポスターの美麗さからも伺い知れるように、美しいシーンはとても多い。
川に溶け込んで死ぬというのは海へ還るという自然へかえれ、の思想と一致していて、初めのシーンで父が釣り上げたのは父自身であったとしたら、それは永劫回帰である。
あらゆる悪意は伝わる。最近街を散歩していて、犬を連れた老紳士に出会った。私は犬に嫌われていて、だから犬の方から逃げていくんです、と話をしたら、「それは嫌いという気持ちを犬が感じ取っているだけだよ」と言われたことを思い出す。
あらゆる孤独はそれ自身の悪意や嫌悪感から生じているだけで、私たちは毎日に正直に、誠実に生きていれば何処でも誰とでも繋がりあえるのかもしれない。
自分の敵は自分でしかなくて、でもそれ自体は自分の想像力が作り上げているもの。生きる上でそれは人間の想像力が無限であることの証明になりうることを知った時、私は微笑んだ。
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