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ビッグ・フィッシュのkyのレビュー・感想・評価

ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)
4.2
お伽話がテーマなだけあってファンタジックで素敵なお話。ティムバートンらしさも全開で彼の世界観がこの中に凝縮されていました。彼の作品はビジュアル的に楽しいものが多いと思いますが、今作は特に名言も豊富で視覚的にも聴覚的にも楽しめる作品でした。

物語りが好きなエドワード。魔女、巨人、街など彼の語る物語は人々を惹きつけました。しかし息子のウィルは父の話を嫌い、すれ違う親子の間。エドワードの容態が悪化し再び父と話すようになったウィル。そして父の物語の真相が徐々に。


少し前まではB級と呼ばれる映画もよく見ていたのですが、映画を観るほど王道というか評価が高いものをメインに見るようになりました。最近なんだか所謂外すのが怖くて、それらに時間を使うのが億劫なんですよね。かといって見始めたら、最後まで取り敢えず見なくてはという義務感に襲われてしまいます。そんなこんなで選んだのがこの作品。

エドワードが惚れるのも頷けるほどにアリソンローマン演じるサンドラは美しさと可愛らしさが両立していた。

最後に明らかになるビッグフィッシュ。そういうことだったのか。うまく作り込まれてるストーリーに脚本。良い。

戦わずして勝つ。孫子の兵法やん。という演出が面白くもありファンタジックでもあり哲学的にも感じてしまう。その見せ方が上手でした。そして華やかなすみれの花に囲まれる2人の姿が爽やかで素敵。

まちづくりやビジネス的な要素も含まれていてアカデミックな視点からも楽しめる作品でした。ファンタジックな世界とは対極なものかも知れないけれど、上手く融合されていました。

スリラー的な要素は全くないと思って見始めたのですが、かなりびっくりするシーンがありました。心の準備ができてないのでホラーを見るよりホラー体験でした。そもそもホラーは本当に苦手で見たくありません。見てる時というよりフラッシュバックする感覚が怖くて。。


ユーモラスな表現と真実は紙一重。
父エドワードはお伽話を好んで話すけれど、彼の息子ウィルはそんな父の話が嫌い。自分の父親はお伽話ではないけれどユーモアがあって面白い話をよくしてくれたので父の話は好きでした。
高校まではずっと部活をしていたので家に帰るとサッカーの話ばかりだった記憶があります。卒業してからというものずっと一人暮らしなのですが、最近は会うと前にも増して互いに色々なことを話すようになりました。この映画は、やはり父親って偉大だなという事を自分事として想起させてくれました。
自分の父は高学歴でもないし所謂教養があるタイプではありませんが、この映画のエドワードに近くてユーモアや雑学に富んだタイプだと思っています。自分に勉強することを強要する事はせず、その分か色んなところに連れて行ってくれて色んな体験をさせてくれました。最近は宇宙体験飛行なんかも連れて行ってくれました。友人に話すと50代と20代親子で珍しいと言われます。
この映画でも冒頭では親子に距離がありますし世間体は大体そうだと思っております。でも自分の父はその歳に合わせて色々な体験をくれて、勉強よりも大切な事を沢山自分に教えてくれたと思っています。勉強したくれば勝手に自分ですればいいし、したくないなら他のことをすればいいし。そんな風に自分で考えて決める力を教えて、与えてくれたと思っています。
だから今は興味のあることを自分の好奇心が向くままに勝手に勉強しています。これが今の教育の分野に必要なことだとも思っています。欠けてると思うんですよね。義務教育やらなんやらと。子供の好奇心を潰してまで強制的に学ばせる必要あるのでしょうかね。
好奇心を促進させて自分で決める事を知る方が大切だと思っています。そんなことを教えてくれるような映画でした。
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